駆け引き

ジェベルほど泥臭くない、
グラトラほどスマートじゃない、
そんなバンバンのなんとなくさがこっそり気に入ってる皆さんこんにちわ、太郎坊ですｖ（＾＾）ｖ

さて、今日は駆け引きの話。

先に断っておくけど、駆け引きに関しては、俺は自慢じゃないけど一般的な平均よりも
かなりのもんを持ってると思うわけなんよ。
まぁ主な得意分野は峠での一つ先のコーナーをめぐる駆け引きや
恋の駆け引きなんかはお手のもんなんですがね（＊＾＾＊）

ぶっ

あれはそう、朝も１０時を過ぎた頃だっただらうか？
まぁ物語っつーのは大抵、そんなうっかりしてると見落としちゃうような日常の中で始まるもんなん
ですがね。
俺がいつものようにやぁまだのおばひゃん（久し振りに登場してくれましたが、うちの会社の食堂を一人で
切り盛りしてるおばひゃんです＾＾）とＦさん（俺のボス）の三人で茶のみ話をしてたわけですよ。
今日は鏡開きでおぜんざい作ったるから食べにきいやぁ～と言わはるわけ。
ダンケシェーンと返す俺。

で、時は流れ、件の午後三時。
俺は丁度仕事が落ち着いたのでぼけ～とタバコを吸ってたんよ。
そしたらみんなにお誘いの声を掛けてた総務のエッつんが俺にも、出来たんで食べに来てくださいね～
と意味深な笑顔を交えながら言ってきてねぇ。
俺は全く食べる気がしませんが何か？みたいな感じで「あ～どうも」とそっけない風を装ったんよ。
で、さっきの意味深な笑顔の意味を計ろうとしてすぐにピン！ときたわけ。
おばひゃんや！俺が毎年ぜんざいを他の人たちの三倍は食ってるという情報を
新人の焼き係のえっつんにも流しはったんや！！
ここで俺は駆け引きにでたね。バンバンリーダーとして、「バキューム」の異名を持つ男として、ね。
この状態ですぐに食堂に行っちゃうとこれはもうカモネギっしょ？どんだけがっついてんねんって
話になるっしょ？
そこで俺はまず２０分ウエイトしたね。
時間ってのは最高の治療薬だと思ったからね。体にも心にもね。
で、ある程度先に食べてる人が出来た状態で満を辞して食堂に向かったね俺は。
勇気を出してね。
勇気ってのは不安を消し去ることじゃない、不安に向かって行く事だと分かっていたからね、俺は。

ドアを開けて、ちわぁ～食いにきました～と言った瞬間に俺はすぐに感づいた。
きた、あの男が来た。あいつは食う、いや飲みこむ。バキュームする。
羨望と期待が渦巻く視線の飛び交う食堂で俺は用意されてた二つ入りのお椀を取り、
頂きま～すと食おうとしたんよ。
ドアの向こうで焼いてた事務員さんの、まだまだ焼いてますからね～という声を遠くに聞きながらね。
対面で食材費の会計をしていたおばひゃんも、みんなあんまり食べへんからたっぷり食いや、と
にしこり、いやにっこり。
餅でかっと思いつつも一椀目をぺろりんっと平らげる。
みんな一椀食ったら当然のように食事を終える中、俺はまるでそれが当然のように
おかわり！と二杯目を貰いに行く。
全く想定の範囲内、とでもいうかのようにｍｔカジさんが椀の中に餅を二つ。
もう二つ入れて下さいな。ここでも俺は期待を裏切らない。
ｍｔカジさん、苦笑しながらもさらに二つ追加。
椀から溢れ出そうになるのの上から、汁と小豆をたっぷりとかけて食す。
餅のでかさにとまどいながらも俺は４つ、計六つを軽やかに胃袋に整理整頓。
戦前、おばひゃんに１０個は余裕、今年は新記録を作る！とうそぶいてた俺は
ぶっちゃけ腹にたまり出していたがまだ食っていいんですか？と焼き方のｍｔさんに
言うとどうぞどうぞと言われたんでさらに４つを椀に盛り、席に着く。
神様は乗り越えられる人にしか試練は与えないんだよ、というなっちの言葉を思い出した俺は
餅を引きちぎるようにして食う。ただ食う。若干脂汗も出てきだしていたが俺は
う～んボーノ♪と林道の小鳥のさえずりにも似た声色で賛辞まで引き出しつつ
計１０個を食いきったんよ。ふぅ～新記録はならなかったがバキュームの面目は
たもったやろ。。。。
食べ終わりふと息をつこうとするとおばひゃんが「太郎ちゃん、まだそんなもんじゃ足りへんやろ？
まだまだあるから食べや」なんて言っちゃったもんだから俺も本来の調子もの振りを
発揮して、「それじゃぁ遠慮なく」とさらに４つを貰いにいったんよ。
昼飯に丼飯２杯食ったイカソーメンご飯に呪いの言葉を吐きつつ俺はその４つを
ゆっくり、かみ締めるように味わったのさ。
そう、疲れたらゆっくり食べればいい。もっと疲れたらもっとゆっくり食べればいい。
簡単なことさ。

ＴＡＫＥ　ＩＴ　ＳＬＯＷＬＹ．

俺はくすっと笑い、週末はゆっくりとあいつと旅にでも出るかな。
そんな事を思いながら最後の餅の欠片をバキュームしたのさ。

で？どの辺が駆け引きやったんやろ？ｗｗｗ