チャーハン

金曜日。仕事が終わって明日は休み。久し振りの連休だ。
ふと、チャーハンが食べたくなる。
バンバンのリアキャリアには卵保存容器、クーラーバック、コッヘルと中華鍋、お玉にスプーン。
まずは米だ。出来れば美味い米が良い。
大阪を出発して京都から三重へ抜ける。
関西が誇る伊賀米。
路地裏にその米屋はあった。
量り売りで一合だけ買う。
そのまま滋賀県へ。
あの信長も愛したであろう安土の地卵、はなたまごだ。
早朝の小杉養鶏場にたどり着く。
おじさんに頼み込み卵保護容器に二つだけ産み立ての卵を入れてもらう。
それをクーラーバッグに丁重に入れる。次はタマネギだ。
兵庫から海を渡り、淡路島。
一気に新田へ走り、八百屋で最高のタマネギを手に入れる。
再び兵庫。国道２号で一気に西へ。
次の目的はチャーハンの味を決める醤油である。
必ずあの醤油でなければならない。
姫路を通り越し、岡山県。日生からフェリー、四国へ。
香川県小豆島で「丸金の初絞り醤油」を手に入れる。
そしてしまなみ街道。伯方で塩を買う。
瀬戸内の夕日が美しい。浜で小さな焚き火を起こし米を炊く。
良い炊き具合だ。だがすぐには食べない。
波の音と疲れに心地よく溶けるように熟睡する。
朝日が昇る前に起きる。米は程良く冷や飯だ。
焚き火を起こす。火力が大きくなるように藁を投入。
朝焼けの中、男は一心不乱に鍋を振る。

黄金色のチャーハンを喰らう。
距離を走らなければ味わえない。
このバイクでなければ、味わえない味がある。

ＶＡＮＶＡＮ２００。究極のチャーハンを、あなたに。
 





　　　今回はいつもと違う趣向でお送りしましたｗ